FAXを送る際には送付状/送り状(もしくは送信状・送信票)を添えることが必須であり、ビジネスマナーに則った書き方で作成する必要があります。
今回はFAXの送付状/送り状(もしくは送信状・送信票)の書き方について、例文やテンプレートも交えて紹介します。
目次
FAXの送付状/送り状とは
ビジネスシーンでは、物品や書類を送付する際にはその添え状を合わせてつけるのがビジネスマナーとなっております。
これを送付状・送信状・送り状などと言います。
ほかのビジネス文書と同様に、FAXの際にもいきなり本編の書類を送ることはせず、送付状(もしくは送信状・送り状)を送るのがマナーです。
FAXの場合は送信票と呼ばれる場合もあります。
このFAX送付状(送信状・送り状・送信票)はただ書けばいいというものではなく、相手に失礼のないようビジネス文書のマナーに則って書くのが肝要です。
以下ではFAXの送付状/送り状(送信状・送信票)の書き方のマナーやテンプレートを、文例も交えながら紹介します。
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FAXの送付状/送り状の書き方
まずは、FAXにおける送付状/送り状(送信状・送信票)の書き方について説明します。
FAXの送付状/送り状は、FAXで送付する本編の書類より先に届くように送信するのがマナーです。
いわば書類の「表紙」のようになるよう、書類の先頭に送付状/送り状を送信します。
さてFAX送付状/送り状の内容ですが、書面には以下の順序・大まかな位置で記載するのがビジネスマナーとなっております。
構成 | 詳細 | 送付状/送り状における位置 |
---|---|---|
①日付 | 送信した日付 | 右上端 |
②宛名 | 送信相手の会社・部署・個人名 | 日付の一行程度下、左端 |
③署名 | 自分の会社・部署・個人名 | 宛名の一行程度下、右端 |
④件名 | 件名「書類のご送付」「FAX送付のご案内」など | 署名から一~二行程度下、中心 |
⑤本文 | 一般的な手紙の作法をイメージして記入 (具体的な例文・テンプレートは後段で説明します) |
件名から一~二行程度下、基本は左端づめ |
⑥別記 | 「記」の文字 (ここから別記・注記が始まることを示すもの) |
本文から一~二行程度下、中心 |
⑦別記主文 | FAXの送り状の場合は「送付書類の内訳」を記載 | 「記」の文字から二~三行程度下、基本は左詰め |
⑧結び | 「以上」の文字 | 別記主文から数行下の右端、もしくは用紙の右下端 |
こちらの書き方を満たしていることがビジネス上でのFAXの送付状/送り状のマナーとなります。
後程例文やテンプレートを紹介しますので、そちらも参照してください。
FAXの送付状/送り状を書くときのマナー
FAXの送付状/送り状を書く時のビジネスマナーについていくつか説明します。
- 送付状/送り状が先頭に来るようにする
- ビジネス文書の形式を守る
送付状/送り状が先頭に来るように送付する
FAXの送付状/送り状はそれを送ること自体が「ビジネスマナーだから送る」という側面ももちろんありますが、そのほかにも二つほど送付する効果があります。
そしてこの二つの効果が適切に発揮されるには「先頭」に来るように送信することが肝要です。
特に送付枚数が多い時等は充分留意が必要です。
さて、その二つの効果ですが、以下の通りです
- 「送付者」「宛先」が一目で確認でき、誤送信リスクを緩和すること
- 「送付書類の内訳」が一目で確認できること
一つ目の効果「誤送信リスクの緩和」ですが、FAXは誤送信をすると直ちに書類が想定外の送付先の目に触れてしまいますので、パスワードで添付ファイルをロックできるメールと違い情報漏洩のリスクが高いのです。
そのようなFAXにおいて、送付状/送り状の書き出しに宛先・送付者の会社や個人名を明記しておけば、早いタイミングで誤送信書類であることが発覚するので、書類の不用意な拡散を防ぎ、相手に素早く処分を依頼することができます。
二つ目、「送信書類の内訳を一目で確認できること」についてですが、FAX送付状/送り状の別記には必ず送信する書類の内訳や部数が記載されますので、こちらで「何の書類がFAXで送られてきているのか」直ちに理解できます。
一つ目も二つ目も、FAX送付状/送り状が先頭になければ効果は限定されてしまいますので、「送付状/送り状は先頭に来るようにするというのは大事なビジネスマナーです。
ビジネス文書の形式を守る
また先ほどFAX送付状/送り状の構成について説明しましたが、この形式をしっかりと守ることも大事なビジネスマナーです。
FAXはEメールと手紙の中間的な性質を持つ文書送付ツールですが、どちらかというと手紙同様「テンプレート」をしっかり遵守することがビジネスマナーとなっているツールです。
メールは社内はもちろん、たとえ社外でもやり取りが多くなってくると多少構成がアバウトでも問題ない、むしろ迅速なコミュニケーションのためにその方がかえって好まれるシーンもありますが、FAXはあくまで書き方のテンプレートを守ることを求められます。
構成は先ほどの記載順序をしっかり守ることが肝要ですし、本文については、一般的には「手紙」の本文のマナーや書き方を習うのが基本スタイルです。
この辺りはFAXはメールとは異なり、手紙に近い性質であることを意識して「FAXの送り状/送付状」を準備することが肝要です。
FAXの送付状/送り状の文例・テンプレート【個人・会社】
さて、ここまで説明した通り、FAXの送付状はテンプレートや書き方を守ることがメール以上に求められる書類と言えます。
ここでFAXの送付状/送り状のテンプレートや文例を紹介しますので実際に送る際の参考にしてみてください。
個人宛FAXの送付状/送り状テンプレート
まずは先に説明した書き方を網羅した「個人宛FAXの送付状」のテンプレートです。番号は先ほど書き方の項で説明した番号と合わせております。
(①日付)○年○月○日
(②宛名)
○○株式会社
□□部 □□
□□様
(③送信者)
〒123-4567
○○県〇市・・・
株式会社×× ○○部
山田太郎
TEL:xxx-xxx-xxxx
email:■■■@■■■
(④件名)FAX送付のご案内
(⑤本文)
拝啓 春暖の候、時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、誠に感謝申し上げます。
さて、この度は下記の通りFAXにて書類をご送付いたしますので、
ご査収の程、何卒よろしくお願い申し上げます。
敬具
(⑥別記)記
(⑦別記主文)
・お見積書 1(実際にはFAXした書類の詳細・部数を記入)
(⑧結び)以上
個人宛FAXの送付状/送り状文例
続いては個人向けFAXの送り状について文例を紹介します。ここでは見積書をFAXした場合を想定しています。
2018年12月27日
AAAAA株式会社
事業開発部 海洋事業開発課
山田三郎様
〒123-4567
東京都〇市△1-2-3-4
株式会社TTTT システム開発部
田山一郎様
TEL:xxx-xxx-xxxx
email:■■■@■■■
御見積書のFAX送付のご案内
拝啓 歳晩の候、時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、誠に感謝申し上げます。
さて、この度は貴社プロジェクトに掛かるシステム開発につきまして、
下記の通りFAXにて書類をご送付いたしますので、
ご査収の程、何卒よろしくお願い申し上げます。
敬具
記
・お見積書本紙 1
・お見積もりにおける作業工数前提 1
・お見積もりにかかる各単価計算書 1
以上
ご盛栄は商売繁盛を意味します。
社長であればOKのようにも思えますが、一般的には企業相手に用いる表現であるため、留意が必要です。
会社宛FAXの送付状/送り状テンプレート
まずは先に説明した書き方を網羅した「会社宛FAXの送付状」のテンプレートです。個人宛同様、先ほど書き方の項で説明した番号と合わせております。
(①日付)○年○月○日
(②宛名)
○○株式会社
□□部 □□御中
(③送信者)
〒123-4567
○○県〇市・・・
株式会社×× ○○部
(山田太郎)
TEL:xxx-xxx-xxxx
email:■■■@■■■
(④件名)FAX送付のご案内
(⑤本文)
拝啓 春暖の候、時下ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、誠に感謝申し上げます。
さて、この度は下記の通りFAXにて書類をご送付いたしますので、
ご査収の程、何卒よろしくお願い申し上げます。
敬具
(⑥別記)記
(⑦別記主文)
・お手数料請求書 1(実際にはFAXした書類の詳細・部数を記入)
(⑧結び)以上
- 宛先に「様」をつけず「御中」とする
- 送信者の個人名は状況に応じ書かないことも可能(会社対会社とする場合は書かない)
- 本文あいさつ文に「盛栄」を用いることが可能(但し清祥も不可ではない)
会社宛FAXの送付状/送り状文例
続いては会社向けFAXの送り状について文例を紹介します。ここでは手数料の請求書をFAXした場合を想定しています。
2018年12月27日
AAAAA株式会社
事業開発部 海洋事業開発課御中
〒123-4567
東京都〇市△1-2-3-4
株式会社TTTT システム開発部
TEL:xxx-xxx-xxxx
email:■■■@■■■
御請求書のFAX送付のご案内
拝啓 歳晩の候、時下ますますご盛栄のこととお慶び申し上げます。
平素は格別のご高配を賜り、誠に感謝申し上げます。
さて、この度は先貴社プロジェクトにて大変お世話になりました。
下記の通りFAXにてお手数料の請求書についてご送付申し上げます。
ご査収と共に、ご対応の程、何卒よろしくお願い申し上げます。
敬具
記
・お手数料請求書 1
以上
また、先にも説明した通り、こちらではあいさつ文に「盛栄」を用いました。
手数料請求というビジネス上のお金のやり取りであることも鑑みて「盛栄」を選択しました。
このように状況や送信する内容を鑑みて、言葉選びや送信者を個人とするか会社とするかを選択するのも大事なビジネスマナーです。
FAXの受信時・送信時のビジネスマナー
送付状自体のマナーについてはここまで詳細に説明しましたが、ここではFAXの送信・受信自体のビジネスマナーについて説明します。
会社の送付ガイドラインを遵守する
FAXについてはパスワード設定ができない、システムで誤送信を防ぐ手立てがない、等の理由から誤送信リスクが高い送付方法と認識されている企業が多いです。
従って、FAXの送付時には送付方法に細かいルールが定められていることが一般的です。
もちろん詳細なルールは会社ごと異なりますが、例えば、以下のようなルールが定められています。
- 送付する前に必ず電話連絡を入れる・送付後に到着確認をする
- 送り状/送付状を作成する
- 送付先の電話番号は予めFAXの電話帳機能で登録しておく
- 送付する際は別のもの一名と確認しながら送付する
特にFAXを送付する機会が少ない方は、こうしたルールを知らずに、いつの間にかルール違反を犯していた、なんてことにならないように自社の送付ルールを事前に確認し、敢行しましょう。
事前に電話連絡する
また、送付状本体のマナーというよりはFAXを送付するときのマナーですが、必ず事前に電話連絡するようにします。
突然FAXしてしまうのはそもそも失礼ですし、同じ会社でも別の者が受け取る等して、直ちに送付対象者に書類がいきわたらないリスクがありますので、事前連絡し準備しておいてもらうことで、そうしたリスクを回避できます。
また必ず事前連絡することで、FAXで誤送信した場合も受信者が書類が来ないことに気づき連絡をしてもらえるため、速やかに誤送信に気づける可能性が高まります。
速やかに返信/返答する
一方、FAXを受け取った側は、速やかに返信することもビジネスマナーの一つと言えます。
例え、FAXの依頼内容、質問内容などの回答や成果物を直ちに用意することが難しかったとしても、受け取った事実を必ず電話かメールにて連絡します。
(一般的には電話の方が望ましいです)
送信者はFAXが適切に送信されたかどうか気にかけておりますので、書類を適切に受け取ったら、必ずすぐに連絡するようにすることがビジネスマナーです。
FAXの送付状/送り状のマナーをしっかり守って円滑なコミュニケーションを
FAXの「送付状/送り状」はメールと比較して書き方のマナーやテンプレートの形式を守ることを求められるツールと言えます。
その背景にはFAXが「手紙に近いもの」という意識や「Eメールより誤送信リスクが高いもの」という考え方が背景にあります。
Eメールの発達によりFAXの送信機会はかつてより減少しておりますが、その分、FAX送付におけるビジネスマナーがおろそかになりがちなので注意が必要です。
この記事で紹介したFAXの「送付状/送り状」のマナーをしっかりと守り、FAXをビジネス上のコミュニケーションで円滑に利用できるようにしておくことをおすすめします。
キャリアアップのために転職をお考えの方は、こちらの記事をご覧ください。