「取り急ぎ」という言葉を失礼のないように使えますか?
今回「取り急ぎ」の意味を知り、メールで使える例文で使い方と注意点を確認しましょう。
「取り急ぎ」の類語・英語表現も紹介していきます。
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目次
「取り急ぎ」の意味と実際の使い方とは
言葉は本来の意味を理解しないと、使用した際に相手に失礼です。
あなたは、「取り急ぎ」という言葉の意味をしっかりと説明できますか?
「取り急ぎ」という言葉の意味を確認し、うまく使いこなしていきましょう。
「取り急ぎ」の意味は何?
「取り急ぎ」とは、「とりあえず急ぐ」が本来の意味です。
「とりあえず」と言うことは、正式な時ではなく、急用があって、本来しなくてはいけない行動が取れないときに使う言葉です。
この言葉は、オフィスの場でよく目にしますよね。
実際に自分が正しい使い方ができてるか確認していきましょう。
「取り急ぎ」の正しい使い方は?
取り急ぎを使うのは、緊急の用件があった時です。
基本的には社内の同僚、対して使う言葉です。相手に構わず使うのはやめましょう。
あまり乱用するものでもないです。
頻繁に使うと、いつも急いでいるような悪い印象を与え、本当に急ぎの用事ができた時に相手に区別してもらえません。
基本的には上司や社外の人に使うのは避け、使いどころを押さえて使用しましょう。
「取り急ぎ」を使ったビジネスメールとは【例文3選】
具体的な場面を仮定して、実際のビジネスの場で使える例文を紹介します。
「取り急ぎ」という言葉を使う時には、注意点や意味の違いがあるので、一緒に確認しましょう。
場面①取引先との打ち合わせ日程を連絡する場合は?
次のような場面で、送るメールの本文を例文としてみます。
今度、上司と一緒に訪問する予定だった取引先から、打ち合せの日程に関して連絡がありました。
上司に連絡したいのですが、現在、上司は出張中で、電話に出れません。
アポが取れた日は、2日後に迫っています。
とりあえず、上司と情報共有するためのメールを入れようと思います。
このような時は、どんなメールを送ることができるでしょうか?
早速確認しましょう。
「取り急ぎ」を使った日程調整のメール例文
【件名:◇△商事打ち合せ】
●●課長
お疲れさまです。〇〇です。
先日ご相談いたしました、◇△商事との打ち合せ日程が以下の通り決定いたしました。
取り急ぎご連絡まで。
日時:10月20日(金)午後3:00~
資料は準備の上、明日課長がお戻りの際にご相談させてください。
よろしくお願いいたします。
〇〇
場面②社内の関係部署に異動連絡する場合
他の場面も考えてみましょう。
来月から部署を、移動することになりました。
今まで関係のあった、社内の他の部署の方に、連絡をしようと思います。
このような場面では、どんなメールを送ることができますか。
例文を確認しましょう。
「取り急ぎ」を使った挨拶のメール例文
【件名:異動についてのご挨拶】
〇〇部
▲▲様
お疲れ様です。××です。
来月より~~部へ異動することになりました。
今まで大変お世話になり、ありがとうございました。
取り急ぎ、ご挨拶まで。
来月以降の担当については、改めてご連絡いたします。
よろしくお願いいたします。
××
よく聞くフレーズ集
例文では「取り急ぎご連絡まで」というフレーズを採用しましたが、他に、「取り急ぎご報告まで」もよく耳にします。
例えば、会議中の議題に関したデータがその場で不足していた時、その後データを取り纏めて「取り急ぎ」報告したいときに使います。
他に、「取り急ぎご案内まで」や、「取り急ぎお礼まで」などがありますね。
「取り急ぎ」という言葉は、「とりあえず」急いで何らかの情報を発信したいときに利用できます。
ただし、この「取り急ぎ」という言葉を使う時は注意点があります。
「取り急ぎ」を使用する時の注意とは
メールの例文のように、便利な使い方ができる「取り急ぎ」ですが、場合によっては相手に失礼な印象を与えます。
ここでは使う際の注意点を確認しましょう。
後で連絡を入れることが大前提
「取り急ぎ」を使う場面は、「とりあえず」最低限の情報を発信する場合です。
そのため、後から詳細な連絡をすることが前提です。
「とりあえず」今はこれだけ知っておいてほしい、という状況のときですので、注意しましょう。
上司や目上の人、社外の人に使うのは控える
「取り急ぎ」というワードは、下手をすると「間に合わせに」という風にも取られかねません。
普段はあまり関わりのない上司や先輩、社外の人に使うのはできるだけ控えましょう。
失礼な印象を与えてしまう可能性があります。
本来であれば、正確で過不足ない情報を迅速に発信するのが最良です。
しかし「取り急ぎ」連絡するということは、その相手に対してそれだけの手間を掛ける暇はなく「間に合わせに、とりあえず」連絡している、ということになりかねません。
ですから使うべき場面をよく考えて使うようにしましょう。
他の用件は入れない
急いでいるからには、そのときに伝えたい用件だけを「取り急ぎ」発信しましょう。
他の用件は、「取り急ぎ」とは別のメールや電話で発信します。
急いでいる場面で他の用件まで連絡してしまうと、何について急いで連絡をしているのかわかりにくなります。
「取り急ぎ」の類語とは
それでは、ビジネスの場で目上の人や社外の人に対して、失礼にならないように「取り急ぎ」何かを伝えるには、どういった類語を使えばよいでしょうか。
代表的なものを2つ紹介しますので、場面に応じて適宜使ってみましょう。
類語①「まずは」に置き換える場合は?
「取り急ぎ」というワードは「まずは」という類語で置き換え出来ます。
「取り急ぎご報告(ご連絡)まで」→「まずはご報告(ご連絡)申し上げます」
意味として大きくは変化しませんが、取り急ぎの方が急を要していることがより伝わります。
このあとに、いつまでに最終的な報告(連絡)内容が発信できるか、具体的な日付や期限を書いても良いでしょう。
例えばメールの文末に、「本件、まずはご報告申し上げます。~~につきましては今週の金曜日までにご連絡いたします」などと書けるでしょう。
類語②「略儀ではありますが(ございますが)」
意味は変わりませんが、こちらは少し硬く聞こえる類語です。公用文など正式な場面でしか用いられません。
「取り急ぎお礼まで」→「略儀ではありますが(ございますが)お礼かたがたご挨拶申し上げます」
招待されていったパーティーの帰り道に、メールでお礼を打つ場合、次のようなフレーズも使えますね。
「略儀ではありますが(ございますが)、メールにてお礼申し上げます。」
お礼をする場合、その時々によっては後からお礼状を郵送する場合があることも注意点として覚えましょう。
【参考】「取り急ぎ~まで」の類語表現は?
よく使われる「~まで」という言い切りの形は、失礼な響きがあるように感じる人も多いかもしれません。
もし形を変えるのであれば、次のようなフレーズも使えるでしょう。
- 「取り急ぎご連絡(ご報告)まで」→「取り急ぎご報告(ご連絡)申し上げます」
- 「取り急ぎご挨拶まで」→「取り急ぎのご挨拶と変えさせていただきます」
もし類語①「まずは」、類語②「略儀ではありますが(ございますが)」が使えない場合は、「取り急ぎ」を使ったほかのフレーズも使ってみましょう。
敬語を正しく使うことのメリット
敬語を使うのは社会人としてのマナーです。
「取り急ぎ」という言葉を敬語表現の一つとして使う上で、失礼にならないよう適切に使うことが肝要です。
相手に良い印象を与える
「取り急ぎ」という言葉を的確に使うことには、メリットがあります。
自分にとって必要な情報を、「取り急ぎ」であっても報告、連絡してくれる人というのは重宝されるものです。
特にビジネスの場では、迅速に対応してくれる人は特に良い印象があります。
何かをしてあげたとき、忘れずにお礼を言ってくれる人というのも評価されるポイントです。
「取り急ぎ」という言葉を使いこなして、ビジネスの場で活躍しましょう。
英語にすると「取り急ぎ~」はどんな表現になる?
オフィスで使用することが多い「取り急ぎ〜」ですが、英語で全く同じ意味の単語はありません。
ですが日常に似たような表現はよく使います。
日本語で表現する時は「取り急ぎ〜」を文末に使う場合が多いですが、英語の場合は文頭に使います。
では具体的なフレーズを紹介します。
- I just wanted to let you know that〜: 〜についてお知らせします。
- This is a friendly reminder〜:〜についてお知らせします。(念押しの意味を持つ)
- Just a quick note〜:〜について取り急ぎのメモです。
敬語を上手に使ってビジネスを円滑に!
「取り急ぎ」という言葉の意味、使い方、注意点を紹介しました。
例文も参考に、相手に失礼にならない、丁寧なコミュニケーションができるように心がけましょう。