「拝見いたししました」は、ビジネスシーンでよく使われるフレーズです。
「拝見しました」の正しい意味と使い方をを理解して、使いこなしていますか?
「拝見いたしました」を正しく使いこなせば、ビジネスシーンで必要なスキルである、相手の立場にふさわしい敬意を示せます。
この記事では、「拝見いたしました」の正しい意味や使い方を、例文を交えご紹介します。
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目次
意外と知らない!?「拝見いたしました」の意味
- 「見ました」という意味をあらわす。
「拝見いたしました」は、過去、何かを見たことを表現する意味で使われています。
なぜ「拝見いたしました」を「見ました」という意味に訳せるのでしょうか?
「拝見いたしました」を「拝見」と「いたしました」の二つの部分に分けて、それぞれの意味について詳しく紹介します。
詳しく知ろう「拝見」の意味
- 「拝見」は、「見る」の謙譲語で、「見る」をへりくだった表現。
「拝見」という言葉は、自分が「見る」という行為をへりくだって表現するために用いられます。
「見る」という表現では、相手を敬う気持ちは表現できません。
実はこんな意味!「いたしました」の意味
- 「いたしました」は、「した」の謙譲語で、「した」をへりくだった表現。
「いたしました」は、相手を敬う気持ちを表す謙譲語です。
「いたしました」は、動詞の過去形でもあるため、過去の出来事に言及していることが分かります。
「拝見」と「いたしました」を組み合わせた「拝見いたしました」は、「見ました」という言葉をへりくだった表現と言えます。
間違いやすい!「拝見いたしました」は正しい?間違い?
「拝見いたしました」を敬語表現の観点から判断すると、間違いです。
「拝見いたしました」は、いわゆる「二重敬語」であるため、敬語として間違っていると結論づけることができます。
では、「拝見いたしました」が間違い敬語だと判断した、二重敬語とは、何なのでしょうか?
知らないと損をする!二重敬語とは何か
二重敬語とは、ひとつの文章の中に、同じ種類の敬語が使われている敬語のことです。
二重敬語は正しい敬語ではないので、気を付けましょう。
正しい敬語表現にするためには、別の種類の敬語に言い換える必要があります。
例えば、「拝見いたしました」には、「拝見」と「いたしました」の2つの謙譲語が使われているため、正しい敬語ではありません。
では、「拝見いたしました」を、正しい敬語表現に言い換えるには、どのような表現を用いればいいのでしょうか。
間違えやすい!「拝見させていただきます」も間違い
「拝見いたしました」と似た表現の「拝見させていただきます」も間違った敬語の使い方です。
「拝見させていただきます」は、「拝見」と「させていただきます」2つの謙譲語を合わせた表現です。
ちなみに、「させていただきます」は、「もらう」の謙譲語になります。
「拝見させていただきます」も、謙譲語が同じ文章に2つ使われているため、正しい敬語の使い方ではありません。
ビジネスシーンでは、常に正しい言葉遣いや表現が求められます。
スマートな印象を与えるためにも、正しい言葉遣いや表現を身につけましょう。
この表現ならOK!「拝見しました」にすれば正しい
「拝見いたしました」を「拝見しました」にすれば正しい敬語表現になります。
「いたしました」という謙譲語を、「しました」という丁寧語に言い換えたフレーズです。
「拝見しました」なら、謙譲語+丁寧語なので、正しい敬語表現になります。
このように、重複している敬語の種類を、別の種類の正しい敬語に言い換えることによって、正しい敬語表現となります。
現在形なら「拝見します」でOK!
「拝見いたしました」には「見ました」という意味があるため、過去の出来事について表現しています。
現在形で表現したいときは、「拝見します」に言い換えましょう。
敬語にはどんな種類があるの?
日本語の中でも難解だといわれる敬語は、大きく分けて3種類に分かれます。
「丁寧語」「尊敬語」「謙譲語」です。
それぞれの敬語の種類を理解して、同じ種類が被らないようにすれば、正しい敬語表現を使いこなせるようになります。
丁寧語とは「です」や「ます」という語尾が使用される、親しみやすく、頻繁に使われる敬語です。
尊敬語は、相手を立てるときに用いる敬語です。
謙譲語は自分へりくだって用いる敬語です。
この3つの敬語の違いを理解して、同じ文章で2つ以上使わないように注意しましょう。
そうすれば、間違いやすい二重敬語を避けられます。
「拝見いたしました」はビジネスシーンではOK!?
「拝見いたしました」が間違った敬語表現であることを、前章までにご紹介しました。
しかし、ビジネスシーンでは「拝見いたしました」はよく使われるフレーズですよね。
敬語としては間違っている「拝見いたしました」ですが、慣習的にビジネスシーンでは用いられています。
よほどかしこまった場でない限りは、「拝見いたしました」を使っても問題ないでしょう。
「拝見させていただく」では重たい印象に
「拝見いたしました」をもっと丁寧にした「拝見させていただく」は、ビジネスシーンで用いてもいいのでしょうか。
「拝見させていただく」も、謙譲語が2つ重なる二重敬語なので、敬語の使い方としては間違いです。
また、どこか重たい印象を与えるので、受け取り手によっては、少し嫌味な印象を与えかねません。
「拝見させていただく」はなるべく使わないほうがベターです。
相手を不快にさせないことが最重要!
ややこしく複雑な敬語ですが、基本は相手を敬う気持ちを表現する言葉です。
ですから、文法的な正しさよりも、相手を不快にさせないことを重視しましょう。
こちらは丁寧に伝えたつもりでも、回りくどすぎて嫌味な印象を与えてしまうと、せっかくの敬語も逆効果です。
相手に伝わりやすく、かつ敬意を忘れずに敬語を使えば、少々の間違いは許されるでしょう。
とはいえ、正しい言葉遣いや表現ができるに越したことはありません。
できるビジネスパーソンを目指すなら、正しい言葉遣いや表現を身につけておきましょう。
こう使えばOK!「拝見いたしました」の使い方
「拝見いたしました」という言葉だけだと、何を見たのか、相手に伝えることができていません。
「拝見いたしました」は、他の文章と組み合わせて、自分が見た内容を明確に伝えましょう。
- 御社のホームページを拝見いたしました
「拝見いたしました」の前に「御社のホームページを」と加えることにより、何を見たのかが明確になります。
相手に「見た」という事実よりも、何を見たのかを明確に伝えることが重要です。
何を見たのかを、明確に伝えましょう。
その他の「拝見いたしました」を使う上での注意点や意識すべきことをご紹介します。
忘れないで!「拝見いたしました」は目上への言葉
「拝見いたしました」は目上の方に使うフレーズだということを、忘れてはいけません。
目上への深い敬意を示す言葉の使い方として、「拝見いたしました」は優れています。
一方で、謙譲語が含まれる「拝見いたしました」を部下に対して使うのは、非常に違和感があります。
自分と会話をしている人との関係を意識した言葉遣いや表現に心がけましょう。
クライアントなど目上の方に対して、「拝見いたしました」を言えば、相手は深い敬意が示されていることに嬉しく感じるでしょう。
「拝見いたしました」の例文をシーン別にご紹介!
ビジネスシーンでは、会話やメールで「拝見いたしました」を使う機会も多いです。
「拝見いたしました」を正しく使って、円滑なコミュニケーションを図りましょう。
ビジネスシーンで使える、「拝見いたしました」の例文をご紹介します。
上手に使って印象アップ!「拝見いたしました」の例文【会話編】
- さっそく拝見いたします
- ぜひ拝見したいです
「拝見いたします」では、何かを見始める時に使えるフレーズです。
クライアントや上司が自分に資料を差し出したときに使いましょう。
何も言わずに読み始めるよりも、相手への敬意を示せるので、印象がぐっとアップします。
「さっそく」とクッション言葉を使うことで、より積極的な印象を与えられるでしょう。
「拝見したいです」も、「見せてください」よりも丁寧な印象を与えます。
「ぜひ拝見したいです」など、「ぜひ」を使えば、より丁寧な印象になるでしょう。
文字のコミュニケーションもこれでOK!「拝見いたしました」の例文【メール編】
- メールを拝見いたしました。後日、返信させていただきます。
- 送付資料を拝見いたしました。社内で協議した後に、ご連絡差し上げます。
「拝見いたしました」は、メールでのやり取りにも使えるフレーズです。
どちらの例文でも、メールを受け取ったことや、メールに送付された資料を受け取ったことを「拝見いたしました」で伝えています。
最低限のビジネスマナーとして、メールを送ってくれた人に、確実に見たことを伝えるのは大切です。
連絡をいただいたことへの感謝の意味も込めて、「拝見いたしました」と伝えるとスマートな印象になるでしょう。
気持ちも一緒に伝えよう!見た時の感情を表現する例文
- 楽しく拝見しております。
「拝見いたしました」と一緒に、自分の感情を表現したフレーズを組み合わせてみましょう。
この例文では、自分が「見た」ことだけでなく、「楽しく」それを見ていることを相手に伝えられます。
「楽しく拝見しております」は、お礼の代わりに使えるフレーズでもあります。
メールを送った方が「連絡してよかった」と感じられる例文です。
覚えておこう!「拝見いたしました」の間違った使い方
丁寧な印象の「拝見いたしました」ですが、部下などを目下の人に使うのは、間違った使い方です。
「拝見いたしました」には、自分を低くみなす言葉遣いの謙譲語が使われているからです。
「拝見いたしました」は、あくまでも目上の方に使うフレーズだということを覚えておきましょう。
「拝見していただく」は絶対にNG
丁寧な印象だからと、「拝見していただく」と目上の方に言ってしまった経験はありませんか?
「拝見」は「見る」の謙譲語ですから、目上の方に使うのは間違いです。
絶対に使わないよう気を付けましょう。
目上の方に資料などを見てもらいたいときは、「ご覧くいただく」や「確認していただく」に言い換えましょう。
謙譲語はあくまでも自分をへりくだる表現です。
間違えないように気を付けましょう。
「拝見いたしました」の変化形もビジネスシーンで使える!
「拝見いたしました」の意味をしっかり理解しておけば、「拝見」という言葉を用いて、別の言い方もできます。
- ずっと前から拝見しておりました。
「拝見しておりました」という表現は、過去に行っていた動作を、継続しているかのように表現できます。
過去から継続して見ていることを伝えたいのであれば、「拝見しておりました」というフレーズがおすすめです。
「拝見いたしました」はこう言い換えよう!
「拝見いたしました」は、ビジネスシーンで使える慣習的フレーズですが、敬語表現としては誤りです。
かしこまったシーンなどでは、なるべく使用を控えましょう。
「拝見いたしました」と同じ意味を持つ言葉を覚えておきましょう。
- 見させていただきました。
「見た」という言葉を丁寧に、「もらう」という言葉を謙譲語の「いただく」に言い換えたフレーズです。
丁寧な敬語表現です、「拝見いたしました」よりも、理解しやすく柔らかな印象を与えるでしょう。
「拝見いたしました」で相手への敬意を示そう!
ビジネスパーソンとして活躍するには、実際に起こった事実を伝えるだけでは不十分です。
事実を伝えるのと同時に、相手に対する深い敬意を示せれば、一人前のビジネスパーソンと言えるでしょう。
「拝見いたしました」は、「見た」という事実だけでなく、相手への敬意を示すフレーズです。
ビジネスを円滑に進めるためには、相手への敬意が必要です。
相手への敬意をきちんと示して、お互い気持ちよく働けるように心がけましょう。