ビジスシーンで頻繁に使う「次第です」という言葉を正しく理解していますか?
今回は、「次第です」の意味や使い方を例文とともにご紹介します。
状況に応じた使い分けの仕方や類語、注意すべき点を理解して「次第です」を使いこなし、敬語表現に磨きをかけましょう。
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目次
「次第です」の意味とは?
「次第です」という言葉は広く一般的に使われています。
ビジネスシーンをはじめ、日常会話においても色々なシチュエーションで使われる敬語表現です。
ただ、「所存です」などの類語と正しく使い分けられる人は意外と少ないのではないでしょうか。
ここではシチュエーション別に例文を紹介しながら、「次第です」という言葉の使い分け方を説明します。
使い方に不安がある方は、この機会にしっかりと確認してみてください。
「次」と「第」の意味
「次第です」の意味をご紹介する前に、「次第」という言葉を「次」と「第」に分解し、それぞれが持つ漢字の意味を見ていきましょう。
まず「次」は「すぐ後に続くこと」や「ものの順序や順番」などを表す漢字です。
次に「第」は、「第一位」など数字とともに使われることが多く、「順序や順番」を表す漢字として使われます。
以上のことから、「次第」という言葉には順序や順番を表す意味があるということが想像できるでしょう。
しかし、もちろんそれだけではありませんので、詳しくご紹介していきます。
一般的に使われる「次第」という言葉には、名詞としての使い方と接尾語としての使い方があり、それぞれ意味が異なります。
名詞としての意味
名詞として使う「次第」は、今まで経過してきた状態や成り行き、物事がそうなるに至った理由、事情を表します。
例えば、「~という次第です。」などと使います。
ビジネスでよく耳にする使い方で、説明や報告のために使われることが多いでしょう。
入学式の「式次第」など、式典や催しなどの場において、物事の順序を表すための言葉として使うこともあります。
併せて覚えておくと良いです。
接尾語としての意味
続いて接尾語としての意味についてご紹介します。
接尾語で使用する「次第です」は、その人の意向や事情によるという意味です。
例えば、「あなた次第です」、「天気次第です」というように使います。
また、動作を表す意味の言葉の後に付けると「その動作が済むと直ちに」という意味になります。
例えば、「満員になり次第締め切る」、「到着次第取り掛かる」というように使います。
この他にも、「その動作が行われるままに」という意味で使うこともあります。
例えば、「手当たり次第に取り組む」、「望み次第に分け与える」というような使い方が挙げられます。
次第ですの使い方を紹介
「次第です」という言い回しは、上司との会話やプレゼンテーションの場など、ビジネスシーンにおいてよく耳にする敬語表現です。
ビジネスシーンで使うからこそ、よりスムーズにあなたの意図を伝えられるよう、正しい使い方を覚えましょう。
よくある間違った使い方もご紹介しますので、併せて確認してください。
次第ですを使うのに向く相手と向かない相手
「次第です」は文章でも口語でも使うことができる丁寧な言葉です。
そのため、目上の相手との会話やビジネスシーンで使用することが多いでしょう。
一方で、同僚や部下などの親しい人に対しては堅苦しくなってしまうため、不向きです。
相手に合わせて類語や違う言い回しを取り入れるなど、「次第です」以外にも柔軟な使い分けができると良いでしょう。
使い方の注意
「次第です」という言葉自体に丁寧な意味が含まれているため、「ございます」や「いたします」を併用すると、回りくどい印象を与えます。
例えば、「そのような次第でございます」、「~いたしました次第です」という使い方は、過剰な敬語表現です。
また、「~の次第と考えております。」という使い方は、回りくどい上に日本語としても間違っているため注意しましょう。
そして、「次第です」に限らず、敬語表現全般において丁寧な言葉を重ねすぎることは控えましょう。
相手によっては、過剰な敬語表現を皮肉として捉えられかねないため、避けた方が無難です。
敬語の使い方を間違えて反感を買ってしまうことがないよう、使い方を理解してから使うようにしてください。
「次第です」を用いた例文【仕事・ビジネス】
「次第です」を使った例文を、シチュエーション別にご紹介します。
仕事で役に立つ敬語表現ばかりですから、例文を覚えながら、正しく使えるようにしましょう。
相手に対する説明
まずはいくつか例文を挙げます。
- 「弊社の取り組みの趣旨についてご理解頂きたく、ご連絡差し上げた次第です。」
- 「お客様から駐車料金の値下げについて要望があったため、只今検討を進めている次第です。」
- 「弊社ではグローバル人材を確保するため、最新のトレーニングプログラムを積極的に取り入れている次第です。」
このように、状況や理由を説明する場面で使うことができます。
まずは例文で示したような基本の使い方を覚えて、どんどんと応用すると良いでしょう。
また、上司への報告の際にもよく使われます。
以下に例文を二つご紹介します。
- 「積雪の影響で材料の到着が遅れることが懸念されましたが、幸い工期への影響はなく、先方からは快くお許しをいただけた次第です。」
- 「台風の影響で公共交通機関のダイヤが乱れており、出社が遅れた次第です。申し訳ございません。」
謝罪の場面
「次第です」は、謝罪などフォーマルな表現が必要とされるシチュエーションでも使うことができます。
例えば、深く謝罪したい場面では以下の言い回しが使えます。
- 「すべては私の不徳の致すところであり、深く反省している次第です。」
- 「まずは書中をもってお礼を申し上げた次第です。」
このように、口語でも書面でも、「次第です」を使うことで敬意や誠意を伝えることができます。
シチュエーションごとに使えるパターンをいくつか持っておくと便利でしょう。
特に謝罪の場面では、相手から厳しい目で見られているということを意識して、普段使わないようなフォーマルな敬語表現を使うことがあります。
そんな時ほど、類語との混同や二重敬語がないか細心の注意を払い、誤った使い方をしないようにしましょう。
話の要約
「次第です」を使った要約の仕方をご紹介します。
- 「繁忙期の疲れが影響し、ケアレスミスが目立ちます。そういった次第ですので、各自適度な休憩をとりながらプロジェクトを進めています。」
- 「以上のような次第ですので、明日の社外イベントは延期させていただきます。」
「次第です」は文章や会話の印象を丁寧にする以外にも、話や文章が長くなりそうな時に、順序立てて説明しやすいというメリットがります。
その他の使用例
「次第です」のその他の使い方をご紹介します。
- 「来年度の予算は、今年度の業績次第です。」
- 「次第に成績が伸びています。」
- 「お問い合わせの件は、確認ができ次第ご連絡いたします。」
- 「午前の会議が終了し次第お伺いします。」
注意したいのは三つ目の「終了し次第」という使い方です。
「終了する」という動詞の連用形は「終了し」なので「終了し次第」が正しい形となります。
口語では発音し辛いので「終了次第」と言ってしまいがちですが、正しく発音するよう心がけましょう。
「次第です」と「所存です」はどう違う?
「次第です」の類語に「所存です」という言葉があります。
どちらもビジネスシーンでよく耳にする丁寧な敬語表現なため、混同している人も多いようです。
例えば、「精一杯取り組む次第です。」と「この方法が有効だと考える所存です。」という表現について、意味の違いを説明できますか?
そもそも「所存です」の「所存」という言葉には「考えや心中に思うこと」などという意味があります。
そのため、「所存です」は「何らかするつもりである、したいと思っている」という意気込みや意思表明のために使う言葉です。
自分の意思を伝えるための言葉が「所存です」だと覚えておくと良いでしょう。
「次第です」は説明に用いる
「所存です」に対して「次第です」は、説明や報告のために使う言葉であるため、意気込みや意思表明のためには使いません。
そのことを理解すると、上述の「精一杯取り組む次第です。」は誤った使い方であることが分かるでしょう。
例えば、「このように弊社は考える次第です(説明)」に対して「真摯に取り組む所存です(意思表明)」というように使い分けます。
正しく使い分けた敬語表現ができるよう、「所存です」と「次第です」の違いを理解しておきましょう。
混同しやすい言葉だからこそ、使い分ければ、「正しい敬語が使える人だな」という好印象を周囲に与えることができます。
「次第です」の類語
「次第です」という言葉は丁寧な印象を与えるため、ついつい頻繁に使ってしまいがちですが、度が過ぎるとワンパターンな印象を与えてしまう可能性があります。
「次第です」以外にも、状況に応じて類語を織り交ぜることで、メリハリのある会話や文章にすることができます。
TPOに合わせて類語を用いる
「次第です」という言葉は、物事のいきさつやあらましを意味する言葉です。
類語として以下のような言い回しが挙げられます。
- 「~というような成り行きです。」
- 「こういった経緯で~。」
- 「~といった流れです。」
また、「次第に~」という使い方の場合は、「徐々に」や「緩やかに」などに言い換えられるでしょう。
状況に合わせて適した類語を使えるようになると、更に敬語表現に磨きがかかるでしょう。
時にはソフトな表現を混ぜて、TPOに合わせたコミュニケーションを心がけましょう。
「次第です」を使うメリット
「次第」という言葉には名詞としての意味と接尾語としての意味がありますが、いずれにしても「次第です」は丁寧な表現です。
そのため、「次第です」を使うことで相手に丁寧に話しているという好印象を与えられます。
また、「次第です」を使って話を要約すると、話が整理されて理解しやすくなるというメリットもあります。
要約するときに使う言葉は、「次第です」以外にも多数存在するため、上手く活用して相手に伝わりやすい話し方を研究しましょう。
敬語を使えないとこんな失敗も
社会人のマナーとして、相手や状況に応じた敬語を使うことは必要不可欠です。
特に謝罪やクレーム対応の場などでは、相手の気が立っていることも多いため、細心の注意を払った言葉選びが必要とされます。
続いては、敬語が招いた失敗例をご紹介します。
トラブル対策のためにも、ぜひ参考にしてください。
間違いやすい敬語の例
上述しましたが、「次第です」に「ございます」や「いたします」を重ねると、過剰な敬語になってしまいます。
例えば、「とんでもございません」という言葉が日本語として間違っているのはご存知でしょうか。
「とんでもない」という言葉は一つの言い回しであるため、「ない」の部分だけを「ございません」に言い換えることはできません。
正しくは、「とんでもないです」や「とんでもないことでございます」という使い方です。
また、混同しやすい表現として「伺う」と「尋ねる」、「申し上げる」と「おっしゃる」が挙げられます。
これらは、尊敬語と謙譲語を混同してしまっています。
いきなり完璧な敬語を使いこなすのは難しいですが、一つずつ正しい敬語を覚えて、使いこなせるようになりましょう。
「次第です」の英語表現
英語で「次第です」と言いたい場合、どのように表現したらよいのでしょうか。
「次第です」の意味別にご紹介していきます。
「なりゆき、事情」の英語は「how」「circumstance」
なりゆきや事情を説明を説明するときには、「how」や「circumstance」で表現できます。
例えば、このように使います。
- 「This is how it happened.(事の次第はこうです。)」
- 「Under any circumstances, I am going to go to school tomorrow.(どのような次第でも、私は明日学校に行く。)」
「あなた次第」の英語は「up to…」「depend on…」
「あなた次第」や「天気次第」という表現は「up to」や「depend on」を使います。
- 「It really depends on you.(あなた次第です。)」
- 「That is up to the weather.(それは天気次第です。)」
「〜し次第」は「as soon as」
「~したら直ちに」という意味を持つ「~し次第」は、「as soon as」を使って表現できます。
- 「We will contact you as soon as the meeting is over.(会議が終わり次第、ご連絡いたします。)」
- 「I will send you an e-mail as soon as the materials are available.(資料が準備でき次第、メールでお送りします。)」
「次第です」を正しく使おう!
「次第です」の意味や例文、類語などをご紹介しました。
「次第です」は正しく使えば便利な言葉です。
是非習得して使いこなしてください。
また、「次第です」に限らず、敬語のルールやバリエーションは幅広く存在します。
視野を広げてワンランク上のビジネスパーソンを目指してみてください。